ロシア語文法 「造格」について

ロシア語文法の用語を覚えるときに何のことかさっぱり訳が分からないのが「造格(ぞうかく)」です。英語的に言えば「with+名詞(○○を使って)」のような意味になる名詞の変化形のことなので、まずは「道具を表す格」だとでも覚えておけばいいでしょう。細かな用法は他にもたくさんある「造格」ですが、「道具をあらわす」というのが一番重要な用法ですから、まずこの用法から覚えて実践的に使うべきです。では具体的に見ていきましょう。



まずは語尾をチェックしましょうか。

「造格」の作り方

単数形「男性名詞」「中性名詞」の場合 →語尾に「ом オム(場合によってはем イム)」をつける
単数形「女性名詞」の場合 →語尾の「а」を「ой オイ(場合によってはей ィエィ)」に変える


新しい単語を覚えながらこの規則の意味を理解することにしましょうか。
спорт スポールト
письмо ピスィモー
ручка ルーチカ

それぞれ「スポーツ」「手紙」「ペン」と言う意味の重要単語です。「スポールト」は英語の「sport」とうい単語のスペルをキリル文字に正確に移し変えた単語であることが理解できますね。さてまずそれぞれ何名詞か想像できますか?

спорт スポールト
は「子音」で終わっていますから、これは「男性名詞」です。しかも「動物」や「人」の仲間、つまり「活動体名詞」ではないので「不活動体名詞」つまり、主格で目的格の役割も果たすことが出来ますね。そして語尾に「ア」をつければ「生格(所有格)」をつくることができました。そして今新しい変化形「造格(ぞうかく)」の語尾を覚えましたから、
спортом スポールトム
がこの単語の「造格」だということが分かります。

次の単語
письмо ピスィモー
「o」で終わっていますから「中性名詞」、よって語尾を「ア」にすると「生格(所有格)」を造ることができて、同じく「不活動体名詞」、よって主格で目的格の用法に使うことが出来ましたね。そしてこの「造格」は、
письмом ピスィモーム

最後の単語
ручка ルーチカ
は「ア」で終わっていますから、明らかに「女性名詞」です。女性名詞の「生格」は「ы」の語尾を取ったのでした。女性名詞の目的格(別名「対格」)はまだ勉強していなかったのですが、実は語尾の「a」を「у ウ」に変化させると造ることが出来ます。

ここでは新たに「造格」の語尾を学習しました。この単語の「造格」は、
ручкой ルーチコイ
となります。
письмо ピスィモー
という単語は重要な動詞「писатьピサーチ」の派生語です。

すると「造格」の知識とこの動詞の活用が分かれば、「私はペンで手紙を書く」という文を作ることが出来そうですね。
ではまず「ピサーチ」の活用をチェックすることにしましょう。
я пишу ヤー・ピシュー
ты пишешь トゥィ・ピーシシィ
он пишет オン・ピーシト
мы пишем ムィ・ピーシム
вы пишете ヴィ・ピーシチェ
они пишут アニー・ピーシュート

正書法」の規則のために子音のスペルが「シャー」の文字に変化していることに注目してください。またウダレーニエの位置が一人称単数形だけが仲間はずれになっています。更に原型のときとウダレーニエの位置が違っていますね。これはなかなか難しい単語のようです。

ではロシア語作文をちょっとやってみましょう。
「私は、ペンで手紙を書く」「私は、ペンで手紙を書いている」という文は次のようになるはずです。
Я пишу письмо ручкой.
ヤー・ピシュー・ピスィモー・ルーチコイ

いかがでしょうか?なかなか難しかったですね。名詞の格変化と動詞の変化はロシア語の難所です。慣れが必要なところではありますが、多尐であれば間違えても通じます。自信をもって書き且つ話すことが大切です。

ここで「ペンで手紙を書く」「書いている」と二つの日本語をつけましたが、これもロシア語の特徴の一つで、ロシア語には英語のように「○○しているところ」という意味を表現する「現在進行形」という形が存在しません。動詞の現在形で代用するのです。

より正確に説明すれば、動詞には「未完了体」と「完了体」という二つの形があって、「未完了体」の動詞の現在形には「通常の現在形」の他に「現在進行形」の意味もあるということなのですが、この点については動詞の過去形の勉強をするときにより詳しくご説明することにしましょう。この節では「造格(ぞうかく)」と難しい動詞「ピサーチ」の活用に絞り込んで勉強することにしましょう。

ということでロシア語の作文練習もこの二つのポイントに絞り込むことにしましょうか。
練習問題 指示に従ってロシア語作文をして下さい。
1.「私はペンで手紙を書いています。」をロシア語にして下さい。
2.1の主語を敬称二人称の「あなた」に変えて下さい。
3.2を疑問文にして下さい。
4.3の「ペンで」を「ロシア語で」に買えて下さい。
5.4の疑問文に「いいえ」で答えてください。

さていかがでしょうか?動詞の活用がなかなか難しいですね。最初は活用表を見ながらロシア語作文してみてください。ロシア語の動詞の活用はロシア人にだって難しいのです。ある新聞に少し前に書いてありましたが、ロシアで共産党幹部のロシア語力がどの程度のなのかテストをしてみたところ、文法の間違いや単語のスペルミスが山のように見つかったと言います。間違っていたら覚えなおせばよいのです。おおらかに勉強を進めましょう。

では解答です。
最初の問題はそのものずばりがこの節の中に登場しています。もちろん
Я пишу письмо ручкой.
ヤー・ピシュー・ピスィモー・ルーチコイ
となるはずです。次は
Вы пишете письмо ручкой.
ヴィ・ピーシチェ・ピスィモー・ルーチコイ
ですね。疑問文は平变文のイントネーションを変化させるだけでつくることができました。

Вы пишете письмо ручкой?
ヴィ・ピーシチェ・ピスィモー・ルーチコイ
「ロシア語で」というのはどういいましたか?「ロシア語を使って」だから「造格」だと考えた人は考えすぎです。もう勉強したことがある表現のはずです。
по-русский パルースキィ
ですよ。

ですから
Вы пишете письмо по-русский?
ヴィ・ピーシチェ・ピスィモー・パルースキィ
となったはずです。これに否定で答えるのですから
нет, я не пишу письмо по-русский.
ニェート・ヤ・二ェ・ピシュー・ピスィモー・パルースキィ
ですね。後半部分は否定語で述語動詞を否定する形、つまり全部否定になっています。

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