ロシア語の動詞の変化 練習問題

ロシア語の動詞の変化については、ごく簡単に有名な動詞の活用をご紹介したのみでした。会話で実際に使うことが多いのは、一人称単数・複数、敬称二人称で、その活用語尾は既に紹介していますが、それだけで終わっていたのでは、本格的にロシア語を勉強したいと思っていらっしゃる方には不十分だと想います。そこでこのコーナーでは多少細かな知識の補足をしながら、実際の活用練習をしてみたいと思います。

まず動詞の活用の一般論をここで再度、暗記用活用表として登場させることにしましょう。

第一変化動詞 基本形 читать(読む) 現在時制
一人称単数 я читаю 私は読む。読んでいる。
二人称単数 ты читаешь 君は読む。読んでいる。
三人称単数 он читает 彼は読む。読んでいる。
一人称複数 мы читаем 私たちは読む。読んでいる。
二人称複数 вы читаете あなたたちは読む。読んでいる。
三人称複数 они читают 彼らは読む。読んでいる。
 
第二変化動詞 基本形 говорить(話す) 現在時制
一人称単数 я говорю 私は話す。話している。
二人称単数 ты говоришь 君は話す。話している。
三人称単数 он говорит 彼は話す。話している。
一人称複数 мы говорим 私たちは話す。話している。
二人称複数 вы говорите あなたたちは話す。話している。
三人称複数 они говорят 彼らは話す。話している。

ロシア語の動詞の基本的な活用は上の活用表のように、「第一変化動詞」「第二変化動詞」としてまとめられます。「第一変化動詞」とは、語幹(活用語尾以外の部分)が母音で終わっている動詞の活用で、「第二変化動詞」とは、語幹(活用語尾以外の部分)が子音で終わっている動詞の活用です。

この二つの活用の違いは、「第一変化動詞」の「三人称複数形」が「ют」、「第二変化動詞」の「三人称複数形」が「ят」で終わることと、「第一変化動詞」の活用の中に登場する「е」が、「第二活用動詞」の活用の中では「и」になるということです。(ウダレーニエがおかれていない場合にはこの二つは同じ音に聞こえますから、会話の中では大きな問題とはなりません)

練習問題(動詞の活用) 指示にしたがってロシア語作文をし、作文したロシア語の文を発音してみてください。
1.「私はロシア語を少し話します。」をロシア語にしてください。
2.1.の文の「少し」を「かなり」に変えてください。
3.2.の文の「かなり」を「そんなに・・・せん」にしてください。
4.3.の「ロシア語」を「日本語」に変えてください。
5.4.の主語を敬称二人称に変えてください。
6.5を肯定文にしてください
7.6を疑問文にして、「はい」で答えてください。

解答と解説
1.「私はロシア語を少し話します。」をロシア語にしてください。
я немного говорю по-русский.
「少し」という単語は「немного」と言いますが、このような形を「形容詞の短語尾形」と呼びます。形容詞の男性単数主格の語尾は「ый」または「ой」が一般的ですが、語尾を「о」にすると「○○は▲▲である」の「▲▲」の位置(このような用法を叙述用法と言います)につかったり、この問題のように「副詞」として使ったりします。

「немного」は「много(たくさん)」という単語に「否定の接頭語」がついて作られた単語ですが、ロシア語の辞書を見ると、この「否定の接頭語」がついた単語がたくさんあります。単語集で覚えた単語に「否定の接頭語」がついたものは新しい単語としてではなく、知っている単語として自由に使いこなしたいものですね。

2.1.の文の「少し」を「かなり」に変えてください。
я хорошо говорю по-русский.
「хорошо」は「かなり」の意味に使われていますが、英語的に言えば「good」に相当する単語がこの単語です。ここでも「形容詞の短語尾」が使われていて、副詞的用法ですね。副詞の位置は先ほどの問題もそうでしたが、動詞の前というのが一般的な位置です。なぜなら副詞は動詞を修飾しますから、修飾する単語の前に来るといのが一番ぴったりするということです。時を表現する副詞などは語尾や文頭にもってくることがおおいですが、このような副詞の一般的な位置においても問題ありません。

3.2.の文の「かなり」を「そんなに・・・せん」にしてください。
я не хорошо говорю по-русский.
副詞が動詞を修飾するので動詞の前という説明を前の問題でしましたが、このように否定語が否定するべき単語の前に来るというのも理解できますね、このように文全体ではなくてある特定の単語を否定する否定文のことを「部分否定」と言います。

4.3.の「ロシア語」を「日本語」に変えてください。
я не хорошо говорю по-японсий.

5.4.の主語を敬称二人称に変えてください。
вы не хорошо говорите по-японсий.
一人称の次に会話でよく使う敬称二人称の活用です。活用語尾の音が非常に特徴的ですから、音声データを聞いてしっかり自分のものにしてください。

6.5を肯定文にしてください
вы хорошо говорите по-японсий.

7.6を疑問文にして、「はい」で答えてください。
вы хорошо говорите по-японсий?
да, я хорошо говорю по-японсий.
ロシア語の疑問文は主語と動詞を逆転させても作れますが、平叙文の形のままで、語尾を少し上げて発音すれば一番簡単な疑問文の出来上がりでした。

動詞の活用は「第一変化動詞」と「第二変化動詞」が基本であるということはわかりましたが、ロシア語ではこれ以外の不規則変化や、「第一変化動詞」と「第二変化動詞」の中間の変化である「混合変化」というものがあり、辞書をみてそれを一つ一つ覚える必要があります。まずはこの本で紹介した規則変化動詞から覚えてくださいね。

とは言うものの何とかこの動詞の変化をごまかす方法はないかとお考えの人もいらっしゃるでしょう。そんな人のために助動詞を紹介します。

英語でも「can」などの後の動詞は原型でしたが、ロシア語でも同じです。すでに未来系の作り方のところで英語の「will」に相当する助動詞を皆さんは勉強していますから、それが使えますが、ここではそれ以外の助動詞を紹介します。
動詞мочь(~できる)

現在形
単数形 複数形
я могу 私は~できる。
ты можешь 君は~できる。
он 彼は она может 彼女は~できる。
мы можем 私たちは~できる。
вы можете 君たちは~できる。
оно 彼らは
彼らは они могут 彼女らは~できる。 それらは


動詞хотеть(したい)
単数形 複数形
я хочу 私は~したい。
ты хочешь 君は~したい。
он 彼は
она хочет 彼女は~したい。
оно 彼らは
мы хотим 私たちは~したい。
вы хотите 君たちは~したい。
они хотят 彼女らは~したい。 それらは 彼らは
一つだけ例文を挙げておきます。
Я могу много читать. 私はたくさん読むこと
助動詞のお話でしたから、ついでに義務(しなければならない)も覚えましょうか。これは助動詞ではなくて特別な形容詞である「должен」を使います。

Я должен работать здесь.
私はここで働かなければならない。

Она должна писать.
彼女は書かなければならない。

Он не должен идти туда.
彼はそこへ行ってはいけない。

動詞の最後です。命令分の作り方をご紹介しましょう。敬称二人称を使った平叙文でも実は代用できるのですが、資格試験などを受験される方のために一番キチンとした命令文のつくりかたを表にします。

2. 命令法


<形容詞の練習問題>
ロシア語では名詞も形容詞も激しくその格と数によって変化することは本文で既にご説明
していますが、現実の会話の中で特に多く使われるのは「○○を」という目的語を表現する「対格(目的格)」と「○○の」という所有を表現する「生格」、そして道具を意味したり、イディオムを形成したりすることの多い「造格」です。そこでここではこの三つの格の練習をしてもらうことにしましょう。ここの問題文はそのまま形を覚えておけば語尾変化はどの単語もおおむね同じですから、会話に大いに役立つと思います。

練習問題 指示に従ってロシア語に直しましょう。
1.「私の父は」をロシア語に訳して下さい。
2.「私の父の(男性名詞に係る形)」をロシア語に訳して下さい。
3.「私の父の友人(男性)」をロシア語に訳して下さい。
4.「こちらは(это)父の友人です。」をロシア語に訳して下さい。
5.「私の母は」をロシア語に訳して下さい。
6.「私の母の」をロシア語に訳して下さい。
7.「私の母の友人(女性)」をロシア語に訳して下さい。
8.「私は私の母の友人を知っている。」をロシア語に訳して下さい。
9.「私は私の父の友人を知っている。」をロシア語に訳して下さい。
10.8の「私の母の友人」を「あなたの母の友人」に変えて下さい。
11.9の「私の父の友人」を「あなたの父の友人」に変えて下さい。

1.мой очец
2.моего очеца
3.друг моего очеца
4.Это друг моего очеца.
5.мая мать
6.моей матери(不規則活用女性名詞)
7.подруга моей матери
8.Я знаю подругу моей матери.
9.Я знаю друга моего очеца.
10.Я знаю подругу вашей матери.
11.Я знаю другавашго очеца.

<簡単な読み物の練習>
ロシア語の勉強を開始されてここまでやってきた皆さんはもっともっとたくさんのロシア語の文に触れたいと思っておられるに違いありません。そのように感じてこられたとしたら順調に勉強が進んでいる証拠でしょう。当サイトで大まかなロシア語の全体構造を、雑しやすい名詞の活用のお話や動詞の相のお話、そして何よりもキリル文字について大きなウェイトをおきましたが、語学の勉強では、まず大きなところを理解して、そして次に更に細かな視点を理解することで今まで勉強したことの真の意味がわかってくるというような、何度も塗り重ねて勉強するというような面があります。

そこでこのサイトでは、本文では全体構造の説明をしながら、まずは一人称単数と敬称二人称を理解して、何とかネット上のロシア語の記事を理解したり、簡単なロシア語会話表現を中心とした会話をしたり、時間をかけて自分でロシア語作文する力を身につけてもらうことにしました。

ロシアではロシア語の本は「学術文法」と「実践文法」の二種類の本があるということです。「学術文法」の本は、正書法の話や厳密な活用のあり方などについて学術的に説明している本で、「実践文法」の本はひたすら活用の練習問題などをさせる本なのですが、この付録は「実践文法」事始のような位置付けにあります。

もっともっと問題を解きたいひともいらっしゃるかとは思いますが、このサイトでロシア語の片鱗を少しかじって見たいというだけの人もまたいらっしゃることでしょう。そこでここでは、問題の解答を暗記すると形容詞や名詞の一番良く使う活用語尾が暗記できる体裁として、その数を最小限度に抑えてみました。

最後は読み物の練習です。読み物といっても大学の一般教養ロシア語の授業で使う教科書水準の短い文の集まりです。そろそろ辞書なしでどこまで意味が想像できるか試してみてもいいころです。やってみましょう。

1.次のロシア語の文を発音し、且つ日本語の意味を想像してみてください。
Я англичанин. Я говорю по-английски. Теперь я изучаю
русский язык. Я уже немного понимаю и говорю
по-русски.

解答例:
私はイギリス人(男)です。私は英語を話します。今、私はロシア語を勉強しています。私はまだ余りロシア語を理解したり、話したり出来ません。

Мы все спортсмены. Брат мой - альпинист. Моя сестра хорошо играет в теннис, хорошо плавает. Я играю в футбол. Футбол - мой любимый спорт. Я также очень люблю плавать.

解答例
:私たちは二人ともスポーツマン(複数形)です。私の兄は登山家です。私の妹(あるいは姉)はテニスが上手で、水泳もうまいです。私はサッカーをします。サッカーは私の大好きなスポーツです。私は水泳もまた大変すきです。

Мой брат и моя сестра - хорошие студенты. Они любят работать и читать. Тут можно много читать. У нас новые книги и журналы.
解答例:
私の兄(又は弟)と私の姉(又は妹)は、すばらしい学生(複数形)です。彼らは働いたり、勉強したり読書したりするのが好きです。ここでは沢山のものを読むことが出来ます。彼らには新しい本と新聞があります。

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