「完了体動詞」と「不完了体動詞」について

さて英語にないロシア語独特の動詞の分類、「定動詞」と「不定動詞」というものを紹介しました。
「定動詞」と「不定動詞」の区別について
 
紹介した意外にも存在するのですが、紹介した単語をじっくり覚えこんでしまえば、それで多くの場合事足ります。(資格試験でもあれで十分なくらいです)

今日は引き続き、英語にはない動詞の分類「完了体動詞」と「不完了体動詞」というものを紹介します。この区別は実はロシア語の専門家でも難しいもので、ロシア文学などを勉強するときには、その動詞が「完了体動詞」なのか「不完了体動詞」なのかで大きく文の意味が変わることがあり、翻訳家も苦労するところです。

ここではそこまで専門的な説明をするつもりはありませんから安心してください。そんなものかと説明を読んで納得し、いくつかの有名な「完了体動詞」と「不完了体動詞」の組を覚えるだけでいいと思います。

大雑把に言って、
「不完了体動詞」は進行中の動作、複数回の動作、習慣的な動作
「完了体動詞」 一回きりの動作

を表します。

「現在」・「未来」・「過去」等の「時制」とは別の、英語の「完了」・「進行」等に似た概念で、言語学的には「アスペクト(相)」と呼ばれているものです。 完了体動詞と不完了体動詞はペアになっている場合が多いです。不完了体動詞に接頭辞をつけたものが完了体動詞だったり、完了体動詞の語尾をちょっと長くしたものが不完了体動詞だったりします。でも完了体動詞と不完了体動詞が全然別の形をしていたり、一つの動詞が完了体動詞でも不完了体動詞でもあったり、対応する完了体動詞もしくは不完了体動詞が存在しないかほとんど使われない、意味によって対応する完了体動詞もしくは不完了体動詞が異なる、という場合もあったりします。専門家が悩むのもわかりますね。

私は法律の 制度を比較する研究を大学院時代にしていましたが、法律関係の書物は文意が極めて明確なものが多く読みやすかったものの、私もいまだに文学作品を読むときには苦労します。 以下に、具体的な完了体動詞と不完了体動詞(いずれも不定形)の対応表を載せます。


ところで、この動詞の区別は動詞の意味に大きな影響を与えるのです。過去形の具体的な意味ですが、
完了体動詞の過去形
過去に行われた一度きりの動作、あるいはある状態への変化等を表します。複数回行われた動作の一回一回を指すこともあります。英語の現在完了+過去完了に相当します。

不完了体動詞の過去形
過去に一定期間行われた動作や過去に習慣的に行われた動作、過去に連続して行われた動作等を表します。英語の過去進行形+過去完了進行形に相当します。

さて細かく説明しようとすればもっと説明できますが、混乱を避けるために一番基本的な本質的違いのみに絞り込んでみました。まずは基本的な違いを理解し、ここでご紹介した動詞の組から覚えましょう。

完了体動詞と不完了体動詞の対応

「完了体動詞」と「不完了体動詞」の区別が重要です。なのでここで少しつっこんで補足をしておきましょう。いくら母国語だからと言っても、ロシア人が語学の天才で、バラバラな単語を組みにして無限に覚えているということはありません。それぞれに特徴があり、どちらかが分かっていれば造ることが出来ますし、どちらのタイプなのかを想像することもある程度まではできるのです。ここでは将来の勉強に役立つようにいくつかのポイントを指摘しておきましょう。

<対応する不完了体と完了体の作り方>

完了体の動詞の多くは、不完了体から派生してできたものです。
(a) 接頭辞を付ける。
有名な接頭辞は、по-, с-, у-, за-, вы-, про-, при-です。
例えば、строитьの完了体は、построить。
以下次のようなものがありますよ。
делать/сделать
писать/написать
видеть/увидеть
смеяться/засмеяться
учить/выучить
читать/прочитать
готовить/приготовить
(покупать/купитьの母音の変化に注意)
またвы-のあるすべての完了体動詞は、すべてвы-の上に力点があります。

(b) 接尾辞を変える。


ただし、動詞の中には、対応する完了体あるいは不完了体がないものもあります。こうした場合、まったく別の動詞が使われます。
例えば、говорить(「言う(say)」と対になる完了体動詞は、сказатьになります。

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